Column コラム
新入社員のタイプは「ETC型」
2010.4.5

今年の新入社員のタイプは「ETC型」だそうだ。

これは、日本生産性本部が毎年行っている調査をもとに命名している。今年のネーミングは「ETC型」になったそうである。

日本生産性本部によると、

「ETC型は、性急に関係を築こうとすると直前まで心の「バー」が開かないので、スピードの出し過ぎにご用心。IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配。理解していけば、スマートさ等良い点も段々見えてくるだろう。"ゆとり"ある心を持って、上手に接したいもの。」

と定義している。定義の中にもある通り、このETC型新入社員は、1987.4.2~1988.4.1生まれの「ゆとり第一世代」である。。

ゆとり教育の弊害がマスコミやメディアで取りざたされているが、この世代は競争というものをあまり経験していない。
運動会では、徒競走を走るか障害物競走にでるかを選択させ、入試に際しては、自分の学力で入れる高校や大学を先生が薦めるといったように、競争を避ける環境の中で育ってきている。私が小中学校の頃は、足が早い者も遅い者も全員が徒競走を走ったものだ。その中で、足が遅い者は足の速い者に勝てないことを知り、人の能力には差がある、ことに気付くのである。そういったことを乗り越え、育ってきたのである。

そういう経験していない世代が会社に入ってくるのである。いきなり厳しい環境の中で、過去に経験したことのない競走に晒される訳だ。。ストレスに負けてしまう者もでるだろう、自分の世界に篭ってしまう者もでるだろう。そういう世代に企業として、どう対応していくのかが一つのテーマである。

また、ゆとり第一世代の特徴として、総じて「指示待ち」であり、必要性を感じなければ行動しないという特徴もある。ベルトコンベアに乗って流れてくる仕事やマニュアル通りに行う仕事であれば、大丈夫かもしれないが、顧客のニーズを把握して提案していく仕事や顧客の満足度を高めてリピート率を上げていく仕事だと、そうは行かない。注文がないと動かない、問題がないと考えないでは、会社の業績に影響を及ぼすことにもなる。

今、導入研修の真っ最中。その研修も、2週間程度で終了する。
その後、現場に配属となるが、新人教育を「OJT」の名の下に現場まかせにせず、「見える育成」、すなわち、状況を把握し個人毎にどのような育成をしていくのかが、大切になっている。