日経電子版に出ていた「就活塾」。
初めて聞く言葉だが、一つのビジネスとして行われており、就活支援がビジネスになったというシロモノだ。
その一つ、『我究館』は1992年に設立。当初は自己啓発セミナーを主に運営していたが、徐々に社会人のキャリア形成の支援にシフト。更に、ここ数年で学生の就活を支援する事業をメーンに切り替えたという。対象となるのは、就活を控える大学3年生のほか、1度挫折を味わっている第二新卒や大学院生たちである。
歴史は浅いが、塾生の数は年400人(オドロキ!)に達する。「受講希望者が多く、今の講師の数ではこれ以上は増やせない」とほどの盛況のようだ。
学生だけでなく、親の関心も高いらしく、週に何件も問い合わせの電話が来るという。相談は学生に劣らず熱心で、電話を切るに切れず、気づいたら1時間の長電話になるケースも。あまりの問い合わせ数に、業務に支障が出かねないと見て、親向けの説明会も開く予定だそうだ。
正確な統計はないようだが、現在、就活塾は全国に80社から100社ほどあるという。大手学習塾などの傘下の企業もあるが、大半は独立系で設立後5年未満。20歳代から30歳代の講師を中心とする塾が多い。
(講師の年齢、20~30歳代の若造ですよ!)
問題は、費用である。8回の講義のほか講師との面談、エントリーシート(ES)の添削、模擬面接がセットになって年間14万8千円。この数字が高いか低いかは、人それぞれだが、個人的にはかなり高いという印象だ。
学習塾でもなし、英語塾でもなし、はたまた趣味の塾でもなし、お金を払っても結果としては何も残らない塾なのである。就活という一つのイベントに対して、払う保険とでも言おうか、そういう位置づけになる・・ とすると、やはり高い。
就職が決まればいいが、決まるという保証はなく、就職が決まらなければ、カネをドブに捨てることと同じである。保険の世界でも、掛け捨ての保険料は「安く」、積立型や満期に戻ってくる保険料は「高い」ことに考えると、世の中の常識ともアンマッチな価格である。
もともと、就活支援というのは大学でやっているのじゃないのか、という意見がある。
大学は勉強や研究の場であり、個人に大きく依存する就職までは支援を行う場所ではないと言われれば、それまでの話なのだが、私学にとっては就職率というのは、受験者数の変動に大きく影響を与えるとも言われており、就活にもっと積極的に大学が関与していってもいいんじゃないのか。
確かに、大学の就職課が行う就活セミナーだけでは物足りない、もっと彫り下げた面接の練習をやってみたいという就活というジャンルでの自己啓発を、学生本人が自分のお金で行うのであればまだいい。記事を見ると、就活塾の費用約15万円は親が出しているということである。(まさに、一昔前に流行った『就活版・自己啓発セミナー』のごとし)
ここまで来たのか、就活生!!という印象だ!!