久しぶりに外部の声を聞く機会があった。
参加したのは11月22日、インテリジェンスが主催する「HITOフォーラム」。
最近は「グローバル」をテーマにしたセミナーや研究会を主催したり、参加したりはしていたが、それ以外のテーマでは、中々、他の人の意見を聞く機会を持っていなかった。自戒を込めた意味もあって、参加したのが今回のフォーラムである。
フォーラムは一人ひとりのセッションというよりも、パネル形式のディスカッションという感じで進んでいったが、登壇するパネラーもそれなりの仕事をされてきた方ばかりで、勉強になるというのが素直な感想である。
メインテーマは、
〜マクロ視点からミドル問題を考える〜ミドルのこれからについて自助・共助・公助を考える〜
である。グローバルの影に隠れて、ひっそりと組織の中に根を下ろしている大きな問題である。
まずは問題提起。環境が大きく変化してきているということ。
具体的には、経済・経営環境の変化(グローバル化による産業構造の変化・国内市場の高齢化、成熟化)、人材要件の変化、社会環境の変化、労働力の高学歴化等があげられる。このように就業構造の変化が予測される環境の中で、ミドルにも新たなキャリアを形成する必要性が生じている。
その際、自助、共助、公助の視点では何が必要になってくるのか? また、大きなハードルとなる労働移動についてはどう考えるのか?パネラーとして参加していた経産省の人も同様の意見である。
以下、パネラーからの意見で気付いたものを掲示する。
ミドルに足りないもの--
どのようにしてキャリア意識・ポータブルスキルを持たせるのか。
今はお金(収入)がない時代、前に向かう意識が持てない。
場の構築、社会的な環境を作る。
外部の刺激を取り入れる(外部の人の話お聞く、本を読む)。
日本が近代化、成長したのは寺子屋がベース、藩校も同じ。
企業の中で場を作る。
これからの企業組織に求められるミドルマネジメントとは--
globe(地球)の視点。
巨大なジレンマ、どう変わって行くのか。
外的要素と内的要素をどう作っていくのか。
組織革命により役割が変化している。
サービス経済化(環境変化)の時代。
現場が価値創造できるようにする
Googleのミドルは参考になる。
閉塞感、部下のマネジメントができない、ミドルが機能しない。
ミドルの支援、5つの役割が機能するような現場の経営者としてのミドルが必要である。
多様化する役割、不明瞭な役割。
コミュニケーションの希薄化。
学習要求の増大。
過去のしがらみから脱脚できない。
内省の機会(日常的なフィードバック、コーチング)。
学習棄却(アンラーニング)。
70-20-10能力開発アプローチ(コルブの学習理論)
変化に柔軟に対応できる種が生き残れる。
変化対応、柔軟性。
多様性への反応、個人に対して期待するもの。
会社は社員に伝えられるのか--
変わるのは当たり前、現状だけではダメ。
試用期間をセット、やってダメなら戻せばいい。
やらされ感を持たせては人は動かない、人は抵抗する生き物。
伝えるだけではダメ、どういう行動をさせるのか(修羅場体験等々)。
知る(専門性、知、外部)、他流試合を沢山行っていく、環境を知る、社内をしる(成果を出した人ではなくて、頑張っている人を紹介する)。
実践の中で気づかせていく。多様性という言葉は死んでも言わない。
やらせてみるカルチャーをどう実践するか。
フィードバックを与えるスピードが重要、堅苦しく考える必要はない。
自信を付けるようなフィードバックを沢山行う。
GOODジョブ、GOODトライしかない。最初にそれをどこまで言ってあげられるのか。
フィードバックする本人が何をやっているのか。
YesAND...で繋いであげることが大事。
ジョブの範囲だけではないものに会社は何をできるのか--
サードパーティー、持ち寄りパーティーだと持って帰るものが増えている。
損得勘定はない、社内でも同じルールで設定することで効果がある。
場をつくるのは主体性と相互信頼。
社内SNS(グリー)を通じて、経営の意思決定を通じて話が盛り上がる。
固定的な場を与えないことが大切、いかに変化させるのかがミドルの活性化には必要。
etc・・・etc・・・
気付いた要因に対するパネラーの意見を書き留めてみても、このテーマが持つ複雑性が見えてくる。
グローバルの問題が今は企業の中心になっているが、実は、このテーマを乗り越えないと真のグローバルを実現できないのではないかと思っている。
それは組織を機能させるためには、このミドルの機能を活性化させることが避けて通ることはできないテーマだらからである。