Column コラム
英語力を育成する
2010.4.26

英語力が必要な時代になっている。今日の日経新聞では、Jパワーが全社員に対してTOEICの受験を義務付けたそうである。

英語教育については、同じ日経新聞の中のインタビューで英語教育に関する記事が掲載されていた。記事は野村資本市場研究所・シニアフェローの関 志雄氏へインタビューである。関氏はインタビューの中で、日本における英語教育の非効率性を説いている。何が非効率なのか。それは、中学から高校にかけて最低でも6年間の英語教育受けているにもかかわらず英語を話すことができない、ということである。

私自身の経験から申し上げても、あまり役に立ったとはいいがたい6年間であった。かなりの時間かけて英語の授業を受けた記憶はあるが、頭に残っていない。数多くの文法問題や長文読解をこなした記憶もあるが、英会話をするために英語を学んでいたというレベルではなかった。あくまでも、受験英語、記憶する英語・・・で終わってしまった気がする。今、思うとかなり無駄な時間を過ごした思いだ。

関氏もインタビューの中で、機会費用を考えると英語教育を選択性にして、英語に興味がある人、英語をこれから使う人を対象に英語学習を行うべきだとしている。もっともな話である。6年間の英語学習の時間を他の時間に振り替えれるとしたら、その人にとっても効率的である。これが一つの考え方である。
そして、これ以外にもう一つ方法がある。英語の授業のやり方を変更するのである。英語の教師を日本人が担当するのではなく、外国人の教師に担当させるのはどうだろう。英語を学んでも、外国人と話す機会がなければ、英語に慣れる機会もない。英語を学ぶモチベーションも低下する訳である。外国人と話す機会が増えれば、話すことに対する戸惑いや気後れもなくなるであろうし、若くして異文化に触れる機会にもなる。コミュニケーションの楽しさを通じて英語を習得できれば、尚よい。

大学になってから、就職や留学を意識して、本格的に英語の習得に取り組む学生も見受けられるが、費用も嵩むし、期間も限られてくる。中学や高校時代という早期に取り組むことが、グローバルに活躍できる若者を育成する早道になるのではないか。それと共に、昨今、英会話スクールが次々と倒産し、働き場所を失っている外国人に新たな雇用機会を提供できることにもなる。ぜひ、英語教育の早期見直しが実現することを期待する。