Column コラム
2012-6-18

先週は秋葉原で開催されたHRサミット2102に参加してきた。参加といっても、以前のようにスピーカーとして参加するのではなく、1人のオーディエンスとしての参加ではあるが。
参加のキッカケは人材コンサルティング会社に勤務する知人が出講するので、その知人のセッションを聞くために申し込みをしたのがキッカケである。

申し込みはネット経由。HRサミット2012のホームページを覗くと、結構著名な人が出講しており、これは申し込んでも意味があるのではということで幾つかのセッションに登録をおこなった。しかし、1日中セミナー会場にいる訳にもいかず、申し込んだセッション数は合計6セッションということで落ち着いた。

最も印象に残ったのは、「サムスンに見る真のグローバル化戦略と人材育成」というテーマのセッション。スピーカーは以前サムスンの常務で今は東大のものづくり研究センターで特任研究員をされている吉川良三氏。世界的に活躍する企業であるにも関わらず、経営に対する考え方や人材育成の考え方等はあまり公表されておらず、ベールにつつまれている。これまでの日本企業が手本にしてきたのは欧米の企業が中心であり、中国や韓国企業に教えることはあっても、教えてもらうことはないという状態だった訳で、ベールにつつまれていても仕方ない点ではある。
 しかし、今や、ソニーやシャープを飲み込もうという勢いのサムスン。そのサムスンで、一体どのような考え方で人材育成をおこなっているのかが非常に興味深いところである。

サムスンというと、アジアでもグローバル化が進んでいる企業だが、どのように展開してきたのか。
まず、サムスンでは、「グローバルとはどういうことなのか」をボトムアップで明確にしていったことが特徴としてあげられる。同じ質問すると返ってくる答えが「明確に定められていない」、という点が日本企業との大きな違いである。因みに、国際化とグローバル化は似て非なるものであり、日本企業では2つの定義を明確化できていない企業が多い。

サムスンでは「国際化」を「海外に拠点や工場をもっていること」「海外に投資していること」としている。一方、「グローバル化」とは「市場として期待される地域に拠点や工場を置いて、その国の文化にあった地域密着型のものづくりをすること」と定義している。サムスンでは、あるべき姿を全社で統一してからどのような戦術を打っていくのかということを行っている。その中から、フォワード型の開発から、サムスンを世界一にしたグローバル市場に対応したリバース型の開発を行ってきたそうである。結果として人事制度も、その地域に対応した地域専門化制度が実施されていることは知られるところである。

久々にこういう人事系のセミナーに参加したが、グローバルなテーマでもあり、非常に刺激を受ける内容であった。