ひさびさのコラムらしいコラムです。
オリンピックが決まったことで、2020年までの7年間で日本は大きく変わっていく可能性が出てきました。
昭和39年のオリンピックが、戦後の復興と成長を遂げようとしている日本を広く世界に知らしめる意味があったとすれば、今度のオリンピックには日本国内に大きな活力を生み出す可能性が秘められていると感じています。
というのは、失われた10年、それに続くリーマンショックや東日本大震災により、日本は先が見えない状態が長く続いていました。
すでに人生の後半に差し掛かっている我々なら、それでも、何とか気持ちを切り替えながら乗り切っていくことができるでしょう。しかし、先の見えない今という時代は、若い人にとって、将来を辛い苦しい時代としか想像できていないのではないでしょうか。
前回のオリンピックは正に、これから高度成長期に突入する時でした。
これから益々、日本人の生活は豊かになっていくことが保証されている時代でもありました。
そういう時代には辛い事や苦しい事があっても、その先に明るい未来があるということで何とか頑張れた訳です。
今はこの辛い時代を乗り越えても、その先に何があるのかがわからず、若い人は頑張り続けることができないの現実です。これからの日本を背負って立つような10代、20代の人が前を向けるような状況を作れなければ、これからの日本の成長はないと言っても過言ではないと考えています。頑張れないから、また、辛い事が続く、正に悪循環です。
だから、今回のオリンピックの東京招致の成功は、この悪しき流れの転機になると期待しています。特に、10代の中学生や高校生にとっては希望の光となったと筈です。勿論、その他の年代の人にとっても、オリンピックを東京で観戦することができるという楽しみができたことには間違いはないと思いますが、そういう意味以上の効果があると考えています。
具体的に言うと、「目標」ができたということです。自分は何のために頑張るのか、何のために努力するのか、頑張るための目標を設置することができた訳です。
目標が具体的であれば、あるほど、その目標に対して頑張ろうという気持ちは強くなります。
それが、10代の若者の全てに『具体的な目標』として、もたらされたことがこのオリンピック招致成功の大きなポイントだと思います。
確かに、全ての若者がオリンピックに出場できる訳ではありません。
しかし、身近に目標に対して努力している人がいる、自分と同年代の人が目標を持って取り組んいる姿を見る機会が増えたということは、今の日本にとって何よりも替えがたいものだと思っています。
オリンピックまでの7年間、上を向いて進んでいくことができるかも知れません。