リーダーの資質を観る研修が終了した。
ファシリテーターを担当した訳ではないので、疲れというものはないが、研修設計能力とファシリテート能力が高く評価される研修であることは確かである。
前回、今回と2回の研修を通じて感じたこと。
これは、今回研修を実施した企業だけではなく、殆ど、全ての企業に当てはまると思うのだが、
若年層、特に大学を卒業して2~3年の間で徹底的に、論理的思考力を鍛える必要があるということだ。
本来は大学教育の中で実施されるべき内容だとは思うのだが、今の大学にはそのようなカリキュラムもないし、例えあったとしても、カリキュラムとしては人気が出るとは思えない。
通常、企業の中では「論理的思考力」を修得するためには、「ロジカル・シンキング」や「ロジカル・コミュニケーション」と呼ばれる研修が実施されている。但し、この手の研修は1回受講すれば、それで受講済みとなってしまうため、受講して暫く立つと「そういう研修を受講したなぁ」程度にならざるを得ない。ましてや、1日多くて2日間程度の研修であれば尚更である。その結果、実践で活用されることは殆どなく、活用されないがために、身にも付かないというのが実態である。
これが、前回・今回とリーダーの資質を見る研修を実施してみて、痛烈に感じたことである。
この論理的思考力というのは、一回受講すれば良いというモノではなく、何度も何度も経験を通じて、鍛えられていくものと考えている。要は「野球のノック」と同じようなモノだと理解すればいい。
そういう能力を1日程度の集合研修で身に付けようとすること自体が無理な話であり、別の方法で仕掛けて行くしかないことになる。
では、その別の方法とは何が考えられるのか?
一つは、「論文」の作成であろう。
ロジカル・ライティングを学んだ後に、徹底的に「論文」を作成するための課題を与えることはどうだろう。
一定期間の間に複数のテーマを与え、そのテーマに対して論文を書かせる。その論文の内容を論理的な思考で書かれているのかを細部に亘って、確認し添削を行う方法である。そして、一定以上の評価を得ることができない場合は、課題が何度も何度も出されることになる、まさに、「論文百本ノック」という方法である。
企業の研修担当者の皆さん、論理的思考力は「受講する」モノであるという視点を捨てた方がいい。論理的思考力は「鍛える」モノである。