昨日の日経新聞の社会欄、高校生を対象とした意識調査の結果が掲載されていました。
これは財団法人「日本青少年研究所」が日米中韓4ケ国の高校生を対象に行った「希望する仕事」という調査の報告です。特に、その中で将来の仕事で「起業したい」と考える日本の高校生が4ケ国中最低の6%にとどまったことが大きく掲載されています。同じ高校生でも、中国の高校生は「起業したい」が1位になっていることを考えると、時代の背景もあるのでしょうが、今の国の勢いが出ているのかなという印象です。
では、日本の高校生が希望する仕事は何かと言うと1位は「公務員」。更に、2位が教師で3位が建築家、デザイナーという順番になっています。これも時代を背景にした結果だと思われます。今の高校生の世代はバブル崩壊後に生まれ、デフレと低成長の中、親のリストラの悲惨さを目の当たりにしてきた世代ということを考えると、安定してリスクを取らない選択するのも仕方ないかも知れません。
しかしながら、日本の若い世代の人に安定志向が目立ち上昇志向に欠ける点があるのは、将来に向けて気になる点ではあります。日本の将来を担う若者の意識がこの状態のままでは、成長はおぼつかなく意識の変革が必要となってきます。
今日の日経では、2020年には日本の全都道府県で人口が減少すると言われています。
高齢者が増え、若年層が減少する中、その若年層の意識が安定志向ということは、将来が非常に危ういということを意味しています。
アベノミクスが話題になっています。
金融政策、財政政策、成長政策の3本柱ですが、やはり一番肝心な政策は成長政策です。
金融や財形はどちらかというとお金の問題です。超デフレ状態から脱出するためには、金融や財形の政策が必要となりますが、それは一時的なものです。いつまでも効果がある訳ではありません。
この2本の矢の効果がある内に成長政策を軌道に乗せる必要がありますが、若者の意識や人口減、高齢化というマイナス要素を考える不安な状況と言わざるを得ません。
若い人の意識を変えるためには何が必要なのか、雇用政策は国が中心となって実施することになりますが、今まで、企業任せであった施策、例えば海外留学制度等も若者を意識変化という視点から国として実施する時期に来ているのかも知れません。
短期的には雇用、報酬・給与に関する施策、長期的には意識の変化を促すような施策という複合的な取り組みが必要となってきています。