Column コラム
一生懸命だと知恵が出る・・
2010.6.8

一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。
忘れてはいけない言葉です。この言葉は、先週土曜日のある会社の研修の中で初めて聞きました。

先週の土曜日の研修は、ある上場企業の営業所長の方を対象にしたものでした。
その研修は、弊社の方でセットアップし、外人がトップの某大手自動車会社の人財育成をご担当された方に講師をお願いした研修です。(こう書けば、どこの会社のお話かほとんどの方はお分かりだと思いますが・・)

研修は、「コーチングの落とし穴から学んだ真のマネジメント」というテーマの3時間研修でした。コーチングの落とし穴から学んだ・・とありますが、決して、コーチングがダメとか、コーチングなんて機能しないという内容の研修ではありません。逆に、コーチングを基本として育成することで、人財が育成され、最終的には組織の風土や体質も変えることができたという内容です。

ご存知のようにこの大手自動車会社のトップは、「経営のプロ」と言われ、赤字経営に喘いでいた会社をV字回復させたことで有名な方です。"コストカッター"、"経営のプロ"・・喩えられる言葉は沢山あったと記憶しています。
でも、そのトップが、経営のプロであったと同時に、"コーチングのプロ"であったことはあまり知られていないのではないでしょうか?その人材育成の担当者曰く、そのトップのことを「経営者としては一流、コーチングは超一流!」と言われてました。今回の研修の講師は、そのトップがコーチングを通じて、現場をどのように変えていったのかを目の当たりにしてきた人です。

「人財育成、コーチング」というと、よくこういう声を耳にしませんか?

  1. 効果はありそうだけど時間がない.....
  2. 自分でやった方が早い.....
  3. 育成より成果が第一だ.....
といった声です。確かに、高度成長時代以上に成果を求められる今、どのようにして成果を上げればいいのかに視点が行きがちです。プレーヤも兼務する最前線のマネージャーにとっては、人財育成にまではなかなか時間が取れない....時間に余裕があれば育成もできるのに...こういう状況はどちらの企業でも同じではないでしょうか?

でも、考えて見て下さい。外国から日本企業のトップとして来日して、赤字企業の業績回復というミッションを与えられた経営トップに、果たして、時間の余裕があったでしょうか?恐らく、当時のことを想像すると日本でも5本の指に入る位、時間に追いまくられていたのではないでしょうか?そういう人がコーチング通じて、マネジメントの仕組みや風土を変えていった訳です。

一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る--

  ・「人財育成は適当」という気持ちからは、「やっても時間のムダ」という愚痴が
  ・「どうせ効果はない」という気持ちからは、「時間がなくて」という言い訳が
  ・「管理者として重要な役割は人財を育成すること」という気持ちからは「知恵」が

出てくるのではないでしょうか...人財育成に携わる者として気持ちを新たにさせられた言葉でした。