以下、毎日新聞からの抜粋である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120707-00000008-mai-bus_all
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パナソニックの津賀一宏社長は毎日新聞のインタビューに応じ、10月に始動する「新本社」の人員を、現在の7分の1以下の数百人規模にまで絞り込む方針を明らかにした。本社は戦略立案や投資の決定など企画機能を中心とし、意思決定を迅速化する。また、過度な円高などで日本の製造業の競争力低下が指摘される中、国内の生産拠点を維持する考えも強調した。
本社の社員は現在約7000人いる。各事業部門をサポートする「全社サポート部門」を新たに設置したうえで、研究開発や調達など数千人を同部門に移す。津賀社長は「(本社は)数百人でも十分対応できる」と述べた。
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国内の景気回復がイマイチ盛り上がりを欠く中で、パナソニックが発表した「本社」人員の削減のニュースは、今まで日本企業を牽引してきた大企業のこれからの方向性を示したものとして非常に興味深い。
業務の集約化と共に肥大する本社機能と人員、いくつもの部門ができ、知らず知らずのうちにタテ割りの組織となり、効率化を目指して集約したにも関わらず伝達や連携の仕組みが機能不全に陥っている。
本来、本社は戦略立案や新規事業への投資業務に集約されるべきにもかかわらず、過去の経緯や諸々の慣習のため肥大化してきたのが事実であろう。
このような状況は、パナソニックだけではない筈だ。
日本の大企業のうち、かなりの割合の企業で同じような状況にあるのではなかろうか。
今回、パナソニックという、日本を代表する企業が本社人員の削減を敢行する。この影響は小さくはない。
パナソニックとしては、激しい競争の結果、韓国や台湾のメーカーに取って変わられ、事業そのものを見直していく必要があったためであろう。そうでなければ、果たしてこういう大がかりな人員削減は実施できただろうか。また、他業界は、今回のパナソニックで起きたことを他人事と捉えてしまっていいのであろうか。
社員の非正規化、高齢化、悪化する出生率、幾つかの要因が複雑に絡み合って出てきた総需要の低迷。
この大きな波を初めに被ったのが電機業界であり、明日は別の業界がその波を被る可能性は大なのである。