Column コラム
2013-2-20

今週の日経新聞から。
18日の朝刊からスタートした『迫真』〜日航 稲盛和夫。
JAL再生を果たした様子の迫真部分を中心に伝えている。

旧JALの経営陣に染み付いた感覚と稲盛氏が経験し身に付けてきた経営感覚のズレが、まずはスタートとなっている。
そのズレを修正するのは、実は簡単なことではない。なぜなら、その感覚こそが企業の価値観や理念に近いものであり、その企業の風土としてなっているからである。

稲盛氏はそのズレを理解してもらうために6ヶ月かけている。
経営陣に対して、リーダー研修という名目の意識改革の勉強会を実施し、辛抱強い風土改革を行っているのがわかる。例え会社更生法を適用された会社であろうとも、再生を行うためには経営陣と社員の意識が変わり、新しい風土作りのため一丸となる必要があったからであろう。
ここで外部からきた稲盛氏が、いままでのやり方を強制的に否定し、役員全員を更迭していたらどうなったであろう。社内にはやらされ感が蔓延し、社員の会社に対する帰属意識を維持できたかどうか疑問が残る点である。

まだ、3回目の連載であり、これから役員の意識改革から社員への説明という流れで進んでいくことが予想されるが、稲盛氏も更生への道程がどのように辿ったのかが非常に興味深い記事となっている。