冬季オリンピックの全日程が終了しました。
今回のオリンピックは全部で8つのメダルを獲り、メダルの獲得個数としては歴代2位だそうです。でも、観ている方からすると、メダルの個数よりもどれだけ気持ちに迫ってくるような活躍をしたのかが最も気になるところです。
そういう活躍というと、前半では年齢41歳スキージャンプの葛西紀明選手の銀メダルではないでしょうか。合計7回オリンピックに出場し、ようやく獲ったメダルということで、海外からも沢山の賞賛を受けていました。そして、後半はやはりフィギュアスケートの浅田真央ちゃんでしょう。
浅田選手は前半のショートプログラムで大きなミスをして、16位という順位に沈んでしまいました。フリーまでにどのように立て直して来るのかが皆の興味でしたが、果たして、フリープログラムは見事なまでの演技を見せてくれました。金メダルを期待されたオリンピックで、メダルは難しい程のミスをした後で、どのように気持ちで最後の滑りをするのか、どんなマインドセットで臨んでくるのか、その心理的な変化は興味あるところです。
この浅田選手のショートプログラムのミスに対して、色々な方が話題にしていますが、その中に森喜郎元首相の発言がありました。
「見事にひっくり返ってしまった。あの子は、大事な時に必ず転ぶ」
という発言をかなりの方が取り上げていました。
発言は福岡市で行われた森元首相の講演の中で出たそうです。
丁度、ショートプログラムが終わってフリーの演技の前でしたので、Twitterでかなり批判の的になっていました。最初、Twitterで森元首相の発言を見たときに、なんてデリカシーのない人なんだろうと思いました。ネットの中でも、芸能人の人も含めかなりの方が、苦言を述べているという状態でした。
しかし、翌日、発言の全文を読んでみると、どうも真意は違うところにあるというのが見えてきました。森元首相は、大変な心理的負担と肉体的負担の中で滑ったことに対して、彼独特の表現で気遣ったようです。但し、その発言をメディアは面白い部分だけを切り出して、ニュースにしたため、ああ言う騒動になったようです。まぁ、確かに真実であることに間違いはないのですが、発言全体を受け止めて、真意を伝えることはできなかったのか疑問が残る所です。
真実は伝えたが、真意は伝わっていない。
人に物事を伝える仕事をしている立場としては、真実を伝えることは確かに大事ですが、真意を伝えることを忘れてはならないと強く感じさせてくれたニュースでした。