Column コラム
茂木健一郎氏にエール!
2011.3.6

茂木健一郎氏、カンニング事件で「クズ新聞、クズ大学」と批判  - Yahoo!ニュース.

素直に茂木さんにエールを送りたい。今回の件に関しては、発生以来、引っかかるものがあり、カンニングをした予備校生が特定されたからと言って、解決になるのかと考えていた。犯人を逮捕したところで、これからもカンニングはあるだろうし、逆に、解決どころか、若者の将来をカンニング程度の罪で傷つけてしまったことの方が大きい。入試の重要性はわかるが、京都大学としては不合格処置までで良かった筈。それ以上の被害を蒙っている訳ではないので、テレビ、マスコミを総動員して犯人探しをしたのはどうかと思う。

確かに、ここで犯人を特定していないと、正常な入試試験という業務に支障をきたすと考えた訳だろうが、いままでにも大小カンニングのようなことは実施されていた可能性もある筈なので、それをこの事件に限って、話を大きくしていったというのはどういうことだろうか?

犯罪とは、モノを盗んだとか、人を刺してしまったとかの行為そのものは処罰しなければいけないが、その社会的背景を加味して処罰することは問題があるのではないだろうか。今回は、Yahooの知恵袋に投稿して、それが時間的に試験時間中ということの事実が分かって・・・という具合にマスコミやネットで話題になり始めてから、これは大問題だとなった訳だ。カンニングそのものではなく、マスコミを巻き込んで話が大きくなったから、被害届けを出したと取られても仕方ない流れになっている。今回は「偽計業務妨害容疑」ということだが、茂木さんも言われているように、犯人を不合格にすることが目的なら、特定された段階で被害届けを取り下げる等の処置は最低(ホントに最低レベルの対応だけど)でも必要だったのではと思う。

国からの支援をもらっているとはいえ、独立行政法人であり、且つ教育機関の最高峰にある京都大学の気構えが問われる事件だと思う。